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みっけたブログ管理人のよっちです。
現在の日本人は、2人に1人は何かしらのがんにかかると言われています。
今までは、がんの治療といえば手術や放射線治療、化学療法がメインでしたが、研究が進み新たな治療法である免疫療法が出てきました。
今回はその免疫療法である、オプジーボについて勉強したいと思います!
目次
免疫療法について
私たちの体は、体の外から菌やウイルスが入ってきたり、がん細胞ができたりすると体の中ではそれらを排除する仕組みが働きます。この仕組みが免疫と呼ばれるもので、この免疫機能を利用したものが免疫療法です。
今までの放射線治療や化学療法は、がん細胞を攻撃する時に正常な細胞まで攻撃するため、副作用が強く出ることがあります。そこで、患者さん自身の免疫機能を高めてがん細胞を攻撃する薬剤で、2014年7月に承認されたのが抗PD-1抗体オプジーボです。
オプジーボの作用
普段免疫が正常に働いている状態では、免疫機能が体の中のがん細胞を異物と判断してT細胞という免疫細胞が、がん細胞を攻撃します。
しかし、がん細胞はT細胞による攻撃を受けないようにPD-L1という物質を作ります。このPD-L1がT細胞のPD-1受容体に結合すると、T細胞の攻撃が止まってしまいます。
そこで、オプジーボは抗PD-1抗体という薬で、T細胞のPD-1受容体に結合してがん細胞から作られるPD-L1との結合を妨害する事で、免疫機能が止まらないようにして、T細胞のがん細胞を攻撃する機能を高めます。
オプジーボの治療
オプジーボによる治療は、手術による治療ができない患者さんが対象になります。
- 根治切除不能な悪性黒色腫
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
- 再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
- 再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌
治療を受けられない場合
オプジーボに含まれている成分に対して、アレルギー反応(気管支けいれん、全身性の皮膚症状、低血圧など)を起こしたことがある方は、さらに重いアレルギー反応が出る可能性があるため、オプジーボの治療は受けられません。
治療を慎重に検討する必要がある場合
次のような方は、オプジーボによる治療を受けられないときがあります。
- 自己免疫疾患にかかったことがある方(甲状腺機能異常症、関節リウマチ、1型糖尿病など)
- 間質性肺疾患にかかったことがある方
投与について
オプジーボの投与量は、患者さんの状態や体重によって決まります。投与は静脈から1時間以上かけて点滴で行われます。
非小細胞肺癌、腎細胞癌の場合
オプジーボの投与日と休薬期間(13日間)を併せた14日間を1サイクルとして、投与を繰り返す。
悪性黒色腫の場合
オプジーボの投与日と休薬期間(13日間)を併せた14日間を1サイクルとして、投与を繰り返す。
又は、すでに他の抗がん剤治療を受けたことのある患者さんは、オプジーボの投与日と休薬期間(20日間)を併せた21日間を1サイクルとして、投与を繰り返す場合があります。
※継続期間は患者さんの状態により医師が判断します。
副作用について
オプジーボの治療中は副作用が出ることがあるので注意が必要です。特に注意が必要とされるのは以下の症状です。
間質性肺疾患
肺にある肺胞に炎症を起こす病気で、炎症が進むと肺胞が硬くなり空気を十分に取り込めなくなります。
- 息切れ
- 呼吸がしにくい
- 発熱
- 痰のない咳(空咳)
- 倦怠感
重症筋無力症、筋炎、心筋炎、横紋筋融解症
筋肉への情報伝達がうまくいかなくなる症状です。
また、筋肉の炎症を起こすことがあります。
- 繰り返す運動で疲れやすい
- 脚、腕に力が入らない
- ものが二重に見える
- まぶたが重い
- 筋肉痛がある
大腸炎、重度の下痢
- 下痢や排便回数が増えた
- 便に血が混じる、便が黒い、便に粘り気がある
- 腹痛や腹部を圧迫したときに圧痛がある
- 吐き気や嘔吐がある
1型糖尿病
1型糖尿病を発症する事があり、インスリン注射での治療が必要になることがある。
- 倦怠感
- 体重が減る
- のどの渇き
- 水分を多くとる
- 尿の量が増える
- 吐き気、嘔吐がある
- 意識障害
肝機能障害
血液検査値の肝酵素(AST、ALT、総ビリルビンなど)の数値が基準値よ高くなることがある。
- 皮膚や白目が黄色くなる
- いつもより疲れがひどい
甲状腺機能障害
甲状腺ホルモンなどを分泌する内分泌器官に炎症を起こして甲状腺機能障害を発症することがあります。
- いつもより疲れがひどい
- 体重の増加または減少
- 脱毛
- 寒気
- 便秘
- いらいら、欲がなくなる、物忘れ
神経障害
神経に炎症が起こり、感覚や運動に関わる神経が障害される病気です。
- 運動や感覚の麻痺
- 手足のしびれや痛み
腎障害
腎臓に炎症が起こり腎炎を発症することがあります。
- むくみ
- 尿量が減る、出なくなる
- 血尿
- 貧血
- 発熱
副腎障害
副腎の機能が低下することで低血糖になることがあります。
- 倦怠感
- 吐き気や嘔吐
- 胸焼け
- 意識が薄れる
- 食欲不振
脳炎
脳や脊髄に炎症を起こし、精神障害や意識障害が起こることがある。
- 発熱
- 吐き気や嘔吐
- 失神
- 体の痛み
- 精神状態の変化
重度の皮膚障害
粘膜や皮膚等の全身に広がる重度の皮膚症状が出ることがある。
- 全身の赤い斑点や水疱がでる
- 倦怠感
- 発熱
- 重度の口内炎
- まぶたや目の充血
- 粘膜のただれ
静脈血栓塞栓症
静脈で出来た血栓が血流に乗って行き、他のところの血管を塞いでしまうことがあります。
- 腫れやむくみ
- 皮膚や唇、手足の爪の血色が悪くなる(青紫色~暗褐色)
- 意識の低下
- 胸の痛み
- 息苦しい
※以上、これらの副作用が出たら中止や休薬が必要となります。
女性の患者さんについて
- 妊娠すると胎児に影響が出る恐れがあるのでオプジーボを中止する必要がある。
- 治療中は妊娠しないように注意する。
- オプジーボ投与終了後1年間は影響がでる恐れがあるので妊娠しないように注意する。
- 母乳を通して乳児に影響が出る恐れがあるので、治療中は授乳しないようにする。
男性の患者さんについて
- パートナーが妊娠する可能性がある場合、同じく胎児に影響がでる恐れがあるため、投与中及び投与終了後1年間は適切に避妊して下さい。
ワクチンの投与について
- オプジーボ投与中は免疫機能が高まっているため、各種ワクチンの接種で過剰な免疫反応が起こることがあります。ワクチンの投与を行った場合は、体調の変化に十分気をつけましょう。
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